ピラティスを始めようか迷っている方、あるいは始めたばかりの方にとって、「一体いつになったら効果が出るの?」というのは切実な疑問ですよね。
今回は、ピラティスの創始者が残した有名な法則をベースに、身体が変わっていく具体的なステップと、効果を実感できるまでの期間について詳しく解説します。
無理なく続けるためのヒントも詰め込みましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
- 見た目の変化・ダイエット効果が実感できる具体的な時期
- 【ダイエット・姿勢改善】目的別の効果的なレッスン頻度
- なぜピラティスには即効性がないのか?
- 最短で効果を出すための5つのコツ
ジョセフ・ピラティスの有名な言葉「10-20-30の法則」

「ピラティスを始めたけれど、なかなか痩せない」 「いつになったら姿勢が良くなるの?」
そんな不安を感じていませんか? ピラティスは即効性のある魔法ではありませんが、継続することで確実に身体を変えることができるメソッドです。
実はピラティスの世界には、効果が出るまでの期間を示す有名な「法則」が存在します。まずはその全体像から見ていきましょう。
ピラティスの考案者であるジョセフ・ピラティス氏は、このような言葉を残しています。
「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる」
これがピラティスの効果を語る上で欠かせない「10-20-30の法則」です。この言葉は、単なる精神論ではなく、解剖学的・生理学的な身体の適応プロセスを見事に言い表しています。
では、この回数ごとに具体的にどのような変化が訪れるのか、期間の目安とともに詳しく解説していきます。
【10回目】内側の変化:身体の使い方と感覚が変わる
期間の目安:週1回なら約3ヶ月 / 週2回なら約1〜1.5ヶ月
最初の10回は、正直なところ「見た目の劇的な変化」はまだ少ない時期です。しかし、自分自身にしか分からない「内側の変化」が確実に起きています。
- 「なんとなく」姿勢が良くなる感覚
今まで無意識だった「猫背」や「反り腰」に、自分自身で気づけるようになります。「あ、今姿勢が崩れているな」と気づき、正そうとする意識が芽生えるのがこの時期です。 - 筋肉への意識が高まる(マインドマッスルコネクション)
最初は先生に言われても分からなかった「お腹を引き上げる」「背骨を一つずつ動かす」といった感覚が、少しずつ掴めるようになってきます。これは脳と筋肉をつなぐ神経回路が繋がってきた証拠です。 - レッスン後の爽快感
「疲れた」という感覚よりも、「身体が伸びて気持ちいい」「頭がスッキリした」というポジティブな感覚が増えてきます。メンタル面での効果は、実は1回目から感じられる方も多いんですよ。
【20回目】外見の変化:ボディラインが変わり始める
期間の目安:週1回なら約5〜6ヶ月 / 週2回なら約2.5〜3ヶ月
継続が実を結び始めるのがこのフェーズです。身体の内側で起きていた変化が、いよいよ表面(見た目)に現れてきます。
- ウエストや背中のラインが変わる
インナーマッスル(深層筋肉)が強化され、天然のコルセットの役割を果たし始めます。ポッコリお腹が引き締まったり、埋もれていた鎖骨が出てきたりと、鏡を見るのが楽しくなってくる時期です。 - 周囲から「痩せた?」と聞かれる
体重が大きく減っていなくても、姿勢が整い筋肉が引き締まることで、見た目の印象は大きく変わります。久しぶりに会った友人から「なんだか雰囲気が変わったね」「背が伸びた?」と言われることも増えるでしょう。 - 柔軟性の向上
前屈で床に手が届くようになったり、肩周りの可動域が広がったりと、身体の硬さが取れてくるのを実感できます。
【30回目】根本的な変化:新しい身体への生まれ変わり
期間の目安:週1回なら約7〜8ヶ月 / 週2回なら約4ヶ月
ここまできたら、もうピラティスはあなたの生活の一部になっているはずです。30回を超えると、身体の機能そのものがアップデートされます。
- 「良い姿勢」がデフォルトになる
以前は意識しないと保てなかった良い姿勢が、無意識でキープできるようになります。立っている姿、歩いている姿そのものが美しくなり、凛としたオーラを纏えるようになります。 - 不調からの解放
慢性的な肩こりや腰痛を感じる頻度が激減します。整体やマッサージに行く回数が減った、という声が最も多く聞かれるのもこの時期です。 - 体質そのものが変化する
代謝が上がり、太りにくく痩せやすい身体へとシフトします。体重という数字以上に、体脂肪率や筋肉量といった「体の中身」が大きく改善されているはずです。
【目的別】あなたに最適な頻度と、効果実感までの期間目安
ピラティスに通う目的は人それぞれです。 「とにかく痩せたい!」という方と、「健康のために運動不足を解消したい」という方では、おすすめの頻度も、効果を感じるまでの期間も異なります。 あなたの目的に近いものを選んで、スケジュールの参考にしてみてください。
運動不足解消・健康維持
「運動習慣をつけたい」「心身ともにスッキリしたい」という方は週1回のピラティスがおすすめです。
- おすすめ頻度: 週1回
- 変化を感じる期間: 即日(気分の変化)/ 半年〜(体力の向上)
細く長く続けたい方は、無理のない週1回ペースが最適です。ピラティスは「動く瞑想」とも呼ばれ、レッスン後の爽快感は1回目から味わえます。
劇的な見た目の変化には時間がかかりますが、1年後、2年後に振り返ったとき、「そういえば最近風邪をひかなくなった」「階段が楽になった」と、確実な体力の向上を感じられるはずです。
姿勢改善・肩こり腰痛の解消(不調を治したい方)
「猫背を治したい」「デスクワークの疲れを取りたい」という方には週1~2回をおすすめします。
- おすすめ頻度: 週1回〜2回
- 変化を感じる期間: 約1ヶ月〜2ヶ月
姿勢の変化や痛みの改善は、比較的早く実感しやすい分野です。週1回でも、レッスン直後は身体が軽くなり、姿勢が整うのを感じられるでしょう。 ただし、その良い状態を定着させるには時間がかかります。
「レッスンに行かない日でも調子が良い」という状態になるには、まずは週1〜2回のペースで半年ほど継続することをおすすめします。
ダイエット・ボディメイク
「くびれを作りたい」「脚を細くしたい」「体重を落としたい」という方は、週2~3回しっかりエクササイズをしましょう。
- おすすめ頻度: 週2回〜3回
- 変化を感じる期間: 約3ヶ月〜4ヶ月
身体の形を変えるには、一定の運動量が必要です。週1回だと、前回のレッスンの効果が薄れてから次を行うことになり、現状維持になりがちです。 週2回以上行うことで、身体が良い状態を記憶しやすくなり、代謝も常に高い状態をキープできます。
「3ヶ月後の同窓会までに!」といった明確な目標がある場合は、週3回を目指すと変化のスピードが格段に上がります。
なぜ即効性がないの?ピラティスの効果に時間がかかる「2つの理由」

「頑張っているのに、体重が減らない」「まだ見た目が変わらない」
そんなふうに焦ってしまうこともあるかもしれません。ですが、ピラティスの効果がゆっくり現れるのには、実は身体の仕組みに基づいたきちんとした理由があります。
これを知っておくと、変化の過程そのものを楽しめるようになりますよ。
理由1:まずは「脳と神経」の書き換えから始まるから
筋トレのように、いきなり筋肉を太くするのがピラティスの目的ではありません。
最初の数ヶ月は、普段使えていないインナーマッスルを目覚めさせ、「脳からの指令を筋肉に正しく伝える回路(神経)」を繋ぎ直す期間です。 この「脳と身体のつながり」ができて初めて、正しい姿勢やボディラインの変化が起こります。
家づくりで言えば、目に見える「柱」を立てる前に、地中の「基礎工事」をじっくり行っている期間なのです。
理由2:インナーマッスルは「縁の下の力持ち」だから
ピラティスで鍛える深層筋肉(インナーマッスル)は、アウターマッスル(表面の筋肉)のように大きく盛り上がる筋肉ではありません。
身体の内側からじわじわと引き締め、骨格を支える役割を持っています。そのため、見た目の劇的な変化として現れるまでには、どうしても少し時間がかかります。
ですが、一度ついたインナーマッスルは落ちにくく、リバウンドしにくい「太りにくい身体」の土台となってくれます。
効果を「最短」で出すための5つのコツ
せっかくピラティスに通うなら、回り道せずに最短ルートで効果を実感したいですよね。 ここでは、ただ漫然とレッスンに通うだけでは得られない、プラスαの効果を引き出すための重要なポイントをお伝えします。
コツ1:月1回のプライベートレッスンで「癖」をリセット
グループレッスンは楽しいですが、どうしても自分では気づけない「身体の使い方の癖」が出てきてしまうものです。そこでおすすめしたいのが、月1回だけマンツーマン指導を受けること。
「骨盤の位置が少しズレていた」「肩に力が入りすぎていた」といった微細な修正を行うだけで、その後のグループレッスンの効果が劇的に変わります。
コツ2:「週1回の60分」より「毎日の5分」が鍵
特に週1回ペースの方は、次のレッスンまでに身体が元の状態を忘れてしまいがちです。これを防ぐには、自宅での「ちょこっとピラティス」が効果絶大です。
マットを敷いて本格的にやる必要はありません。お風呂上がりにストレッチをする、仕事の合間に正しい呼吸を3回繰り返す、それだけで十分です。
脳に「正しい身体の使い方」を毎日思い出させることが、変化への近道になります。
コツ3:回数よりも「質」!正しいフォームへのこだわり
ピラティスにおいて「なんとなく10回動く」のと「正しく3回動く」のでは、後者の方が圧倒的に効果があります。
疲れてくるとフォームが崩れがちですが、そこをグッとこらえて、インストラクターの指示通りに丁寧に動くよう意識してみてください。
ターゲットとなる筋肉にしっかり効かせることができれば、少ない回数でも翌日に心地よい筋肉痛を感じられるはずです。「量より質」を常に心がけましょう。
コツ4:運動以外の時間は「食事と睡眠」で身体を作る
ピラティスは魔法ではないので、レッスン以外の生活習慣が乱れていては効果も半減してしまいます。
筋肉を修復して強くするのは「睡眠中」であり、その材料となるのは「食事」です。 特に、筋肉の元となるタンパク質を意識して摂ることと、質の高い睡眠を確保することは必須です。
生活全体を整えることで、ピラティスの引き締め効果を最大限にブーストさせましょう。
コツ5:まずは3ヶ月!変化の前の「停滞期」を乗り越える
一番もったいないのは、身体の中では変化が起きているのに、見た目が変わらないからと1〜2ヶ月で辞めてしまうことです。
最初は誰でも「本当に効いているのかな?」と不安になる時期があります。ですが、そこは脳と神経が書き換わっている重要な準備期間です。
「3ヶ月(約20〜30回)経てば必ず景色が変わる」と信じて、まずはそこまで走り切ってみてください。
効果や頻度についてのよくある質問(Q&A)
最後に、これから始める方や始めたばかりの方が抱きがちな疑問にお答えします。
Q1. 週1回だけだと、効果はありませんか?
A. いいえ、決してそんなことはありません!
確かに週2〜3回の方に比べると変化のスピードは緩やかですが、「週1回でも続けている人」と「何もしていない人」の差は、1年後には驚くほど大きくなります。
週1回の方は、ご自宅で5分程度のストレッチを取り入れたり、日常の姿勢を少し意識したりするだけで、効果を十分に高めることができますよ。
Q2. マットとマシン、早く効果が出るのはどっちですか?
A. 初心者の方ほど「マシンピラティス」がおすすめです。
意外かもしれませんが、マシンのバネやストラップが身体の動きをサポートしてくれるため、初心者でも正しいフォームをとりやすく、狙った筋肉に的確に効かせることができます。
「最短で効果を出したい」と考えるなら、マシンピラティスを選ぶ、あるいはマシンとマットを組み合わせるのが近道です。
Q3. 3ヶ月経っても変化を感じない時は、やめたほうがいいですか?
A. 諦める前に、一度「フォーム」と「生活習慣」を見直してみましょう。
もし3ヶ月(約12〜24回)続けても変化がない場合、回数だけこなしてフォームが崩れている可能性があります。インストラクターに一度フォームチェックをお願いしてみましょう。また、ピラティスをしていても、暴飲暴食や睡眠不足が続いていては効果が半減してしまいます。
ピラティスをやめるのではなく、アプローチを少し変えてみることで、停滞期を抜け出せるはずです。
まとめ:焦らず、まずは「30回」を目指して
ピラティスの効果は、ある日突然現れるものではありません。薄紙を重ねるように、少しずつ、でも確実に身体は変わっていきます。
- 10回で感覚が変わり(約1〜3ヶ月)
- 20回で見た目が変わり(約3〜6ヶ月)
- 30回で身体のすべてが変わる(約4〜8ヶ月)
もし今、「効果が出ない」と悩んでいても焦らないでください。それはあなたが変化の途中(10回のフェーズ)にいるだけかもしれません。
大切なのは、他人と比べず、昨日の自分と比べること。 まずは週1回からでも大丈夫です。あなたのペースで、理想の身体への旅を楽しんでくださいね。応援しています!
