PR

なぜピラティスは呼吸が命?効果が倍増する「ラテラル呼吸」について

コラム

ピラティスのレッスン中、「呼吸、意識できていますか?」とインストラクターに声をかけられた経験はありませんか?

「動きに集中していると、つい呼吸を忘れてしまう…」 「なんとなく真似はしているけど、なぜそんなに呼吸が重要なのか分からない…」

これは、ピラティス初心者さんだけでなく、少し慣れてきた方でも抱えることが多い、共通の悩みです。

実は、ピラティスの効果をしっかり実感している人と、そうでない人の差は、この「呼吸法」を正しく理解し、実践できているかどうかにあると言っても過言ではありません。

この記事を読めば、少し専門用語に聞こえる「ラテラル呼吸」が、なぜそんなに大切なのか、どうすればできるようになるのか、そしてヨガの呼吸と何が違うのか、その全ての疑問がスッキリと解決しますよ。

ラテラル呼吸とは?「天然のコルセット」を締める最強の体幹呼吸法

まず、ピラティスの心臓部とも言える「ラテラル呼吸」とは何か、ご説明しますね。 一言でいうと、ラテラル呼吸は「お腹を薄く保ったまま、肋骨(ろっこつ)を横や後ろに大きく広げて行う胸式呼吸の一種」のことです。

お腹周りのインナーマッスル、いわば「天然のコルセット」をキュッと締めた状態をキープしたまま呼吸するのが最大の特徴。この呼吸法こそが、ピラティスのエクササイズ効果を何倍にも高めてくれる、最も重要な「土台」となるのです。

なぜ効果が上がる?ラテラル呼吸がもたらす3つの絶大なメリット

では、なぜラテラル呼吸をマスターすると、ピラティスの効果が格段に上がるのでしょうか?その素晴らしいメリットを3つご紹介します。

体幹(インナーマッスル)が常にONになる

ラテラル呼吸の最大のメリットは、呼吸中もお腹を薄く保ち、体幹を安定させ続けられることです。これにより、エクササイズ中に体がグラつくことなく、体の軸を保ったまま手足を正確に動かせるようになります。これが、「効かせたい場所にしっかり効く」ピラティスの動きの秘訣なんです!

背骨がしなやかに動き出す

ラテラル呼吸では、肋骨を左右や背中側に大きく広げます。肋骨は背骨(特に胸椎)と繋がっているため、この動きを繰り返すことで、背骨周りの固まりがちな筋肉がほぐれ、しなやかな動きを引き出す効果が期待できます。デスクワークなどで固まりがちな背中の柔軟性を高め、猫背や巻き肩の改善にも繋がる、嬉しいメリットですね。

集中力が高まり「動く瞑想」状態に入れる

ラテラル呼吸のような胸式呼吸は、自律神経のうち、体を活動的にする「交感神経」を優位にする働きがあります。これにより、頭がクリアになり、自分の体の繊細な動き一つひとつに深く集中できるようになります。ピラティスが「動く瞑想」とも言われるのは、この呼吸法による集中力の高まりも大きな理由の一つです。

感覚でつかむ!ラテラル呼吸の正しいやり方と練習のコツ

「理屈は分かったけど、やってみると難しい…」大丈夫です。鏡がなくても、ご自身の「手のひら」をセンサーにして、体の内側の感覚を頼りに練習していきましょう。

基本のやり方(4ステップ)

  1. 姿勢を整える 
    まずは、あぐら、または椅子に浅く腰掛けて、骨盤を立てて背筋をすっと伸ばします。肩の力は抜いてリラックスしましょう。
  2. 肋骨に手を当てる 
    肋骨の下あたりに、両手を優しく添えます。あなたの手が、動きを確かめるセンサーになります。指先がみぞおちの前で軽く触れ合うくらいの位置に置いてみましょう。
  3. 鼻から息を吸う 
    お腹を膨らませるのではなく、その両脇にあるアコーディオンを、左右と後ろに「じわ〜っ」と広げていくイメージで、鼻からゆっくり息を吸い込みます。大切なのは、手のひらの下で感じる、肋骨のわずかな広がりです。
  4. 口から息を吐く 
    細いストローで遠くのロウソクの火を消すように、「ふぅー」と細く長く、口から全ての息を吐き切ります。左右に開いた肋骨が中央に優しく寄り、お腹がさらに薄くなっていく感覚を味わいましょう。

うまくできない時の2つの練習法

「息を吸うとお腹が膨らんでしまう…」

解決策:タオルの力を借りる練習
フェイスタオルをお腹にぐるっと巻き、息を吸う時にタオルが緩まないように意識してみましょう。タオルの適度な圧力が、お腹を薄く保つ感覚を体で覚える手助けをしてくれます。

「肋骨の動きが全く分からない…」

解決策:四つん這いで背中に呼吸を送る練習
四つん這いの姿勢になると、重力でお腹が自然と下に落ちるため、意識を背中側に集中させやすくなります。その状態で、背中側に大きなポケットがあり、そこに息をたっぷり送り込むイメージで呼吸をしてみましょう。背中や脇腹が膨らむ感覚が掴みやすくなりますよ。

腹式・胸式・ラテラル呼吸の違いは?目的で使い分ける3つの呼吸法

「ラテラル呼吸って、結局、腹式呼吸や胸式呼吸と何が違うの?」という疑問もここでスッキリ解決しておきましょう。

まず、私たちの呼吸法には、大きく分けてお腹を動かす「腹式呼吸」と、胸(肋骨)を動かす「胸式呼吸」があります。そして、ピラティスで用いる「ラテラル呼吸」は、この胸式呼吸をさらに進化させた、エクササイズのための特別な呼吸法なのです。それぞれの違いを、下の表で見比べてみましょう。

項目腹式呼吸
(リラックスの呼吸)
胸式呼吸
(日常・活動の呼吸)
ラテラル呼吸
(ピラティスの呼吸)
主な動きお腹を膨らませる・
へこませる
胸(肋骨)を
前・上に広げる
肋骨を横・後ろに広げる
お腹の状態ゆるめてリラックス自然な状態
(意識しない)
引き締めたままキープ
主な目的心身のリラックス
(副交感神経を優位に)
体を活動モードにする
(交感神経を優位に)
体幹を安定させ、
動きの質を高める
使われるシーンヨガ、瞑想、睡眠時日常生活、多くの運動ピラティス

このように、ラテラル呼吸は、胸式呼吸の「体を活動させる」というメリットを活かしつつ、さらに「体幹を安定させる」というピラティス特有の目的を加えた、まさにハイブリッドな呼吸法なのです。

【Q&A】ピラティスの呼吸に関するよくある質問

Q. 呼吸と動きを合わせるのが難しいです。どうすればいいですか?

A. まずは呼吸の流れを優先してください。動きを少し小さくしたり、一度止めたりしてでも、呼吸を止めないことを意識しましょう。インストラクターの「吸ってー、吐いてー」というガイドに合わせることから始めてみてください。慣れてくれば、驚くほど自然に動きと呼吸が連動してきますよ。

Q. 鼻から吸って口から吐くのはなぜ?

A. 鼻から吸うのは、鼻毛や粘膜がフィルターの役割を果たし、空気を加湿・浄化してくれるからです。そして、口から「ふーっ」と細く長く吐くのは、お腹のインナーマッスルを意識しやすく、吐く息をコントロールしやすいためです。ピラティスの効果を高めるための、理にかなった方法なんですね。

Q. レッスン中、ずっとラテラル呼吸をしないといけないの?

A. 基本的にはエクササイズを行っている間はラテラル呼吸を意識しますが、レッスンの最初と最後に行うストレッチの場面などでは、リラックスした自然な呼吸で大丈夫ですよ。大切なのは、インストラクターのガイドをよく聞き、場面に応じて呼吸を使い分けることです。

まとめ:呼吸を制する者は、ピラティスを制す!

ラテラル呼吸は、ピラティスの効果を最大化するための、最も重要でパワフルなスキルです。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、意識し続けることで体は必ず応えてくれます。そして、呼吸が深まるにつれて、エクササイズの質が格段に上がり、自分の体がどんどん変わっていくのを実感できるはずです。

まずは今日の夜、寝る前に5回だけ。ご自身の肋骨の動きを、優しく感じてみることから始めてみませんか?

この記事を書いた人
saku

GOOD PILATES運営者。デスクワークによる体の不調改善のためにピラティスを始め、その効果に感動。初心者だった頃の経験を活かし、スタジオ選びに必要な情報を分かりやすくまとめています。「初心者でも迷わずスタジオを選べるサイト」を目指して日々更新中。

あいをフォローする
タイトルとURLをコピーしました