「ピラティスって消費カロリーが低いって聞いたけど、本当に痩せられるの?」——ダイエット目的でピラティスを検討している方から、よく聞かれる質問です。
結論から言えば、ピラティスの消費カロリーは確かにランニングやジムでの筋トレと比べると低めです。しかし、消費カロリーだけでダイエット効果を判断するのは早計です。
この記事では、ピラティスの消費カロリーを他の運動と比較しながら、なぜ消費カロリーが低くてもボディラインが変わるのか、その理由を解説します。効率的な運動の組み合わせ方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- ピラティス1時間の消費カロリーは約170〜230kcal
- ランニングの約3分の1だが、それでも痩せる理由がある
- 消費カロリーより「代謝の良い身体を作る」ことが重要
- 他運動との効率的な組み合わせ方も解説
【比較表あり】ピラティス1時間の消費カロリー
まずは、ピラティスの消費カロリーを数値で確認しましょう。運動の消費カロリーは「METs(メッツ)」という運動強度の指標を使って計算します。
ピラティス・ヨガ・ジム・ランニングの消費カロリー比較
以下は、体重55kgの人が1時間行った場合の消費カロリー目安です。
| 運動 | METs | 消費カロリー(1時間) |
|---|---|---|
| ピラティス(マット) | 3.0 | 約170kcal |
| ピラティス(マシン) | 3.5〜4.0 | 約200〜230kcal |
| ヨガ(ハタヨガ) | 2.5 | 約145kcal |
| ヨガ(パワーヨガ) | 4.0 | 約230kcal |
| ウォーキング(早歩き) | 4.3 | 約250kcal |
| ジム(筋トレ・中強度) | 5.0 | 約290kcal |
| ランニング(時速8km) | 8.3 | 約480kcal |
| 水泳(クロール・中強度) | 8.0 | 約460kcal |
※消費カロリーの計算式:METs × 体重(kg) × 時間(h) × 1.05
この表を見ると、ピラティスの消費カロリーはランニングの約3分の1、ジムの筋トレと比べても半分程度であることが分かります。
「やっぱり消費カロリーは低いんだ…」と思われるかもしれませんが、ここで重要なのは、消費カロリーだけがダイエット効果を決めるわけではないということです。
ヨガやジムとの比較を行っている記事もありますので、こちらも参考にしてみてください。
体重による消費カロリーの違い
消費カロリーは体重によっても変わります。同じ運動でも、体重が重い人ほど消費カロリーは高くなります。
ピラティス(マット)1時間の消費カロリー目安:
| 体重 | 消費カロリー |
|---|---|
| 45kg | 約140kcal |
| 50kg | 約160kcal |
| 55kg | 約170kcal |
| 60kg | 約190kcal |
| 65kg | 約205kcal |
また、同じピラティスでも、マットよりマシンの方が消費カロリーはやや高くなります。これは、マシンの方がスプリングの負荷を使う分、運動強度が上がりやすいためです。
なぜ消費カロリーが低くても「ボディライン」が変わるのか
「消費カロリーが低いなら、ピラティスでは痩せられないのでは?」——そう思われるかもしれません。しかし、ピラティスを続けている人の多くが「体重は変わらないのに見た目が変わった」「周囲から痩せたと言われる」と感じています。
これには、消費カロリーとは別のメカニズムが関係しています。
インナーマッスル強化による基礎代謝の向上
ピラティスで鍛えるのは、主にインナーマッスル(深層筋)です。インナーマッスルは、姿勢を維持するために常に使われている筋肉であり、24時間働き続けています。
インナーマッスルが強化されると、日常生活で消費するエネルギー(基礎代謝)が底上げされます。運動していない時間でも、身体がより多くのカロリーを消費するようになるのです。
また、インナーマッスルが鍛えられると、身体が内側から引き締まります。アウターマッスル(表層筋)のように大きく盛り上がる筋肉ではないため、体重は変わらなくても、ウエストが細くなったり、下腹部がすっきりしたりといった見た目の変化が現れます。
姿勢改善で日常の消費カロリーが増える(NEAT効果)
ピラティスで姿勢が改善されると、日常生活での動作効率が良くなります。立っている時、歩いている時、座っている時——あらゆる場面で正しい筋肉が使われるようになり、結果として日常の消費カロリーが増加します。
この「運動以外の日常活動で消費されるカロリー」を「NEAT(ニート:Non-Exercise Activity Thermogenesis)」と呼びます。NEATは1日の消費カロリーの約25〜30%を占めると言われており、これが増えるだけでもダイエット効果は大きく変わります。
猫背で身体が歪んでいると、動作が非効率になり、NEATは低下します。ピラティスで姿勢を整えることは、1日中カロリーを消費しやすい身体を作ることにつながるのです。
ピラティスには、ダイエット効果以外にもたくさんのメリットがありますので、こちらの記事も参考にしてみてください。
効率重視!ピラティスと他運動の賢い組み合わせ方
「消費カロリーを増やしたい」「もっと効率よくダイエットしたい」という方には、ピラティスと他の運動を組み合わせることをおすすめします。
脂肪を燃やしたいなら「ピラティス → 有酸素運動」の順
脂肪燃焼を目的とするなら、ピラティスの後に有酸素運動を行うのが効果的です。
ピラティスで体幹を活性化させると、身体が運動モードに入り、脂肪が燃えやすい状態になります。その状態でウォーキングやランニングなどの有酸素運動を行うと、効率よく脂肪をエネルギーとして消費できます。
おすすめの組み合わせ例:
- ピラティス30分 → ウォーキング30分
- ピラティス45分 → 軽いジョギング20分
逆に、先に有酸素運動を長時間行ってからピラティスをすると、疲労でフォームが崩れやすくなるため、あまりおすすめしません。
筋肉をつけたいなら「ジム → ピラティス」の順
筋肥大(筋肉を大きくすること)が目的の場合は、ジムでの筋トレを先に行い、その後にピラティスを行う順番がおすすめです。
筋トレで特定の筋肉に高い負荷をかけた後、ピラティスで全身のバランスを整え、使った筋肉をストレッチする。この流れにより、筋肉の回復を促しながら、身体の歪みを防ぐことができます。
おすすめの組み合わせ例:
- ジム(筋トレ)60分 → ピラティス30分
- 別の日に:ジム週2回 + ピラティス週1回
ピラティスで培った体幹の安定性は、ジムでのトレーニングフォームを向上させる効果もあります。両方を取り入れることで、相乗効果が期待できます。
ピラティスの消費カロリーに関するよくある質問
汗をかかない=カロリー消費していないということですか?
いいえ、汗の量とカロリー消費は直接的には関係ありません。
汗は体温調節のために出るものであり、暑い環境や運動強度によって量が変わります。ピラティスは常温で行うことが多く、また動き自体もゆっくりなため、大量の汗をかくことは少ないですが、それでもカロリーは消費されています。
「汗をかいた=痩せた」と感じるのは、主に水分が抜けただけであり、脂肪が燃えたわけではありません。汗の量で運動効果を判断しないようにしましょう。
ホットピラティスの方が消費カロリーは高いですか?
ホットピラティス(高温の環境で行うピラティス)は、通常のピラティスと比べて消費カロリーがやや高くなる可能性はあります。体温を維持するために身体がエネルギーを使うためです。
ただし、その差は大きくありません。また、高温環境では脱水症状のリスクや、暑さで集中力が落ちてフォームが崩れるリスクもあります。
消費カロリーを増やすためだけにホットピラティスを選ぶのは、あまり効率的とは言えません。自分が集中しやすい環境で、正しいフォームで行うことの方が重要です。
週1回のレッスンで1ヶ月何キロ痩せられますか?
カロリー計算上の目安をお伝えします。
体重55kgの人がマットピラティスを1時間行うと、約170kcal消費します。週1回で1ヶ月(4回)続けると、約680kcalの消費です。
脂肪1kgを燃焼するのに必要なカロリーは約7,200kcalと言われているため、ピラティスのレッスンだけで計算すると、1ヶ月で約0.1kg未満という計算になります。
この数字だけ見ると「全然痩せない」と感じるかもしれませんが、先述の通り、ピラティスの効果は消費カロリーだけでは測れません。基礎代謝の向上やNEAT効果により、長期的には体型の変化につながります。
短期間で体重を落としたい場合は、食事管理や有酸素運動との併用を検討してください。
筋肉痛がある時は消費カロリーが高くなりますか?
筋肉痛自体が消費カロリーを大きく増やすわけではありませんが、筋肉が修復される過程では、通常よりも多くのエネルギーが使われます。
筋肉痛がある時に無理にレッスンを受ける必要はありません。むしろ、筋肉が回復する時間を確保することで、次のレッスンでより効果的に動けるようになります。
軽い筋肉痛であれば、ストレッチ中心の軽めのピラティスを行うと、血流が促進されて回復が早まることもあります。
カロリー消費を増やすためのレッスンの受け方は?
ピラティスでカロリー消費を増やすには、以下のポイントを意識してみてください。
1. フロー系のクラスを選ぶ 動きを止めずに流れるように行う「フロー系」のレッスンは、運動強度が高くなりやすく、消費カロリーも増えます。
2. マシンピラティスを取り入れる マットよりもマシンの方がスプリングの負荷を使う分、運動強度を上げやすいです。
3. 集中して全力で取り組む 同じ動きでも、意識を高めて正しい筋肉を使い切ることで、消費カロリーは変わります。「なんとなく動く」のではなく、1回1回を丁寧に、しっかり効かせることを意識しましょう。
まとめ|カロリー消費より「代謝の良い身体」を作る投資
ピラティスの消費カロリーは、ランニングやジムと比べると確かに低めです。しかし、ピラティスの本当の価値は、消費カロリーの数値では測れません。
インナーマッスルを鍛えて基礎代謝を上げ、姿勢を改善して日常の消費カロリー(NEAT)を増やす——ピラティスは、「運動中に燃やす」のではなく、「燃えやすい身体を作る」投資です。
短期間で体重を落とすことだけが目的なら、有酸素運動や食事管理の方が効率的かもしれません。しかし、長期的に太りにくい身体を作り、見た目のボディラインを整えたいなら、ピラティスは非常に効果的な選択肢です。
消費カロリーの数字に一喜一憂するのではなく、継続することで得られる身体の変化を楽しんでください。数ヶ月後には、体重計の数字以上の変化を実感できるはずです。

