「ピラティスって、もっと楽なものだと思っていた」「体験レッスンでヘトヘトになった」「レッスン後、なぜかぐったりして動けない」——そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
ピラティスは激しく動くエクササイズではありません。それなのに「きつい」「しんどい」と感じるのは、実は筋力不足だけが原因ではないのです。
この記事では、ピラティスが「きつい」と感じる本当の理由と、その対処法について解説します。きつさの正体が分かれば、ピラティスとの付き合い方が変わるかもしれません。
- ピラティスが「きつい」と感じる3つの原因
- レッスン後に疲れる理由と、それが正常かどうかの判断基準
- きつさを軽減して「心地よい」に変えるためのステップ
- 自分の体力に合ったクラスの選び方
- 「続けられるか不安」な人へのアドバイス
初心者が「きつい・しんどい」と感じる3つのパターン

ピラティスの「きつさ」には、実はいくつかの種類があります。自分がどのパターンに当てはまるかを知ることで、対処法も見えてきます。
筋力的なきつさ(プルプル震える)
一番分かりやすいのが、筋力的なきつさです。動きの途中で腕や脚がプルプル震えたり、ポーズをキープできなくなったりする状態です。
ピラティスでは、普段の生活ではあまり使わないインナーマッスル(深層筋)を意識的に使います。特に、体幹を支えるパワーハウスと呼ばれる部分は、日常生活では眠っていることが多いため、最初はすぐに疲れてしまうのは当然のこと。
この筋力的なきつさは、続けていくうちに確実に軽減されます。むしろ「プルプルする」のは、正しい筋肉を使えている証拠とも言えます。
なお、レッスン翌日以降に感じる「筋肉痛」については、別記事で詳しく解説しています。
脳・神経のきつさ(動きが複雑で頭がパンクする)
ピラティス特有のきつさとして、意外と多いのがこの「脳の疲れ」です。
ピラティスでは、インストラクターからさまざまな指示が飛んできます。「お腹をえぐるように」「肋骨を閉じて」「坐骨を寄せて」「呼吸を止めないで」——これらを同時に意識しながら動くのは、初心者にとって非常に大変なことです。
普段の運動では「とりあえず身体を動かす」だけで済みますが、ピラティスでは「どこをどう動かすか」を常に考えながら動く必要があります。この「脳神経系のフル稼働」が、見た目以上の疲労感につながるのです。
「レッスン中はそこまできつくなかったのに、終わったらどっと疲れた」という場合は、この脳の疲れが原因であることが多いです。これは新しい言語を学んだり、慣れない仕事を覚えたりした後の疲労感に似ています。身体だけでなく、脳も一緒にトレーニングしているのだと考えてください。
続けていくうちに脳が動きのパターンを覚え、自然と疲労感は軽減されていきます。
呼吸のきつさ(吸って吐いてが追いつかない)
ピラティスでは、動きと呼吸を連動させることを重視します。吸いながら準備して、吐きながら動く——というリズムが基本ですが、最初のうちはこれがなかなかうまくいきません。
動きに集中すると呼吸が止まってしまったり、逆に呼吸を意識すると動きが追いつかなくなったり。結果として、息が上がったような苦しさを感じることがあります。
この呼吸のきつさも、慣れによって解消されていきます。最初は動きと呼吸がバラバラでも、続けていくうちに自然と連動するようになります。
「きつい」を「心地よい」に変えるためのステップ
ピラティスのきつさは、続けていくうちに「心地よさ」に変わっていきます。ただし、最初から無理をする必要はありません。
最初は「6割」の力でOK。完璧を目指さない
ピラティスは「完璧にできなければ意味がない」というものではありません。むしろ、最初から100%を目指すと、身体も心も疲弊してしまいます。
まずは「6割くらいの力加減でいい」と自分に許可を出してください。できないポーズがあっても、呼吸が乱れても、それで大丈夫。インストラクターも、初心者が完璧にできるとは思っていません。
「今日はここまでできた」という小さな達成感を積み重ねることが、継続につながります。
グループレッスンよりプライベートから始める
グループレッスンでは、周りのペースに合わせて動く必要があります。そのため、自分には難しい動きでも無理についていこうとして、余計にきつく感じることがあります。
もし体験レッスンで「ついていけない」と感じたなら、最初はプライベートレッスン(マンツーマン)から始めるのも一つの選択肢です。
プライベートレッスンなら、インストラクターがあなたの身体の状態を見ながら、無理のないペースで進めてくれます。基本を身につけてからグループレッスンに移行すれば、きつさを感じにくくなるでしょう。
呼吸だけに集中する時間を増やす
動きと呼吸の両方を意識するのが難しい場合は、まず呼吸だけに集中する時間を作ってみてください。
レッスン中、難しいポーズの時は動きを少し簡略化してでも、呼吸を止めないことを優先する。それだけで、きつさの感じ方はかなり変わります。
呼吸が安定すれば、自律神経も整いやすくなり、レッスン後の疲労感も軽減されます。
自分の体力に合ったクラスの選び方
ピラティスには、さまざまなタイプのクラスがあります。自分の体力や目的に合ったクラスを選ぶことで、「きつすぎる」という状況を避けることができます。
「リラックス系」と「フロー系」の違い
スタジオによって名称は異なりますが、ピラティスのクラスは大きく分けて「リラックス系」と「フロー系」の2タイプがあります。
リラックス系は、一つひとつの動きをゆっくり丁寧に行うタイプ。呼吸を深めながら、身体の感覚を確かめるように進めていきます。初心者や、疲れている時におすすめです。
フロー系は、動きを途切れなくつなげて行うタイプ。心拍数が上がりやすく、運動強度も高めです。ある程度ピラティスに慣れてから挑戦するのが良いでしょう。
レッスン名や説明文から強度を判断するポイント
多くのスタジオでは、レッスン名や説明文で強度の目安を示しています。
「初心者向け」「ベーシック」「入門」などの言葉が入っているクラスは、比較的強度が低めです。一方、「アドバンス」「チャレンジ」「インテンシブ」などの言葉が入っているクラスは、経験者向けの高強度クラスであることが多いです。
また、「リストラティブ」「リラックス」「ストレッチ」などの言葉が入っているクラスは、身体をほぐすことを目的としており、きつさを感じにくい傾向があります。
体験レッスンを申し込む際は、事前にスタジオに「初心者向けのクラスはどれですか?」と確認しておくと安心です。
「きつい」に関するよくある質問
運動音痴でもついていけますか?
ピラティスは運動神経を必要とするスポーツではありません。むしろ「運動音痴」と感じている人ほど、身体の使い方を一から学べるピラティスが向いていることもあります。最初はできなくて当たり前。続けていくうちに、身体の動かし方が分かってきます。
途中で休んでもいいですか?
もちろん大丈夫です。きついと感じたら、無理についていこうとせず、呼吸を整えながら休んでください。多くのインストラクターは「自分のペースで」と声をかけてくれます。無理をして身体を痛めるよりも、休みながらでも続けることの方が大切です。
きつくないピラティスでも効果はありますか?
あります。ピラティスの効果は「きつさ」で決まるものではありません。正しいフォームで、呼吸を意識しながら動くことが最も重要です。強度が低いクラスでも、丁寧に取り組めば姿勢改善や体幹強化の効果は十分に得られます。
慣れるまでどれくらいの期間がかかりますか?
個人差はありますが、週1〜2回のペースで通った場合、1〜2ヶ月ほどで「きつい」から「心地よい」に変わってくる方が多いです。最初の10回は「身体と脳が慣れる期間」と思って、焦らず続けてみてください。
体験レッスンで心が折れそうですが、続けるコツは?
体験レッスンは、緊張もあり、いつも以上にきつく感じやすいものです。一度の体験で「自分には向いていない」と判断するのはもったいないかもしれません。可能であれば、2〜3回は試してみることをおすすめします。また、別のスタジオやインストラクターを試してみると、印象が変わることもあります。
まとめ|その疲れは、身体が変わろうとしているサイン
ピラティスが「きつい」と感じるのは、筋力不足だけが原因ではありません。脳神経系のフル稼働、呼吸と動きの連動、そして身体が新しい刺激に適応しようとする過程、さまざまな要因が重なって、疲労感を生んでいるのです。
大切なのは、このきつさを「自分に合っていない」と捉えるのではなく、「身体が変わろうとしているサイン」と捉えること。
最初から完璧を目指す必要はありません。6割の力加減で、自分のペースで続けていけば、きつさは徐々に心地よさに変わっていきます。
「きついけど、なんだか気持ちいい」
そう感じる日が来るのを、楽しみにしていてください。

