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ピラティスはリハビリから生まれた?医学的根拠と効果を解説

コラム

「ピラティスって本当に効果があるの?」「なんとなく体に良さそうだけど、科学的な根拠はあるの?」

ピラティスに興味を持ちながらも、こんな疑問を感じている方は少なくないのではないでしょうか。

実は、ピラティスはもともとリハビリテーションの現場から生まれたメソッドです。そして現在では、医学的な研究によってその効果が少しずつ明らかになってきています。

この記事では、ピラティスとリハビリの関係、医学的な根拠、そして現代の医療現場での活用事例について詳しく解説していきます。

この記事で分かること
  • ピラティスがリハビリから生まれた歴史的背景
  • 医学研究で示されているピラティスの効果とエビデンスの現状
  • 腰痛・肩こり・姿勢改善など、効果が期待できる症状
  • 理学療法士など医療現場でのピラティス活用事例
  • リハビリ目的で始める際の注意点

ピラティスはリハビリから生まれたって本当?

ピラティスの起源をたどると、その始まりがリハビリテーションと深く結びついていることがわかります。創始者ジョセフ・ピラティスが考案したこのメソッドは、まさに「体を回復させる」という目的から生まれました。

収容所で負傷者のために考案されたメソッド

ピラティスの原型が生まれたのは、第一次世界大戦中のことです。ドイツ人であったジョセフ・ピラティスは、イギリスのマン島にある収容所に抑留されていました。

そこで彼は、同じ収容者たちの健康を維持するために運動プログラムを考案します。さらに、怪我や病気で寝たきりの人々のために、ベッドのスプリングを利用したリハビリ器具を発明しました。これが現在のピラティスマシン「リフォーマー」の原型となっています。

つまり、ピラティスは最初から「体が弱っている人を回復させる」という目的を持って設計されていたのです。健康な人がさらに鍛えるためのものではなく、動けない人が動けるようになるためのメソッドとして始まりました。

ニューヨークでダンサーのリハビリに活用された歴史

1926年、ジョセフはニューヨークに渡り、妻クララとともにスタジオを開設します。このスタジオは、偶然にもニューヨーク・シティ・バレエ団のリハーサル施設と同じ建物にありました。

この立地が、ピラティスの運命を大きく変えることになります。怪我に悩むダンサーたちが、噂を聞きつけてジョセフのもとを訪れるようになったのです。

当時の医学では「もう踊れない」と言われたダンサーが、ジョセフの指導によって舞台に復帰する。そんな回復劇が口コミで広がり、ピラティスはダンス界でリハビリの手段として確固たる地位を築いていきました。

マーサ・グラハムやジョージ・バランシンといった著名な振付師たちも、自分の弟子をジョセフのスタジオに送り込んだと言われています。

ピラティスの医学的根拠とは

ピラティスがリハビリから生まれたことは歴史的事実ですが、現代の医学ではどのように評価されているのでしょうか。ここでは、科学的な研究で示されている効果と、エビデンスの現状について解説します。

研究で示されている主な効果

ピラティスに関する医学研究は、2000年代以降に増加しています。これまでの研究で示されている主な効果は以下の通りです。

慢性腰痛の軽減

2015年に発表されたコクランレビュー(Yamato TPら)では、ピラティスが慢性腰痛の痛み軽減と機能改善に寄与する可能性があると結論づけられています。コクランレビューとは、世界中の医学研究を体系的に評価・統合する国際的な分析手法で、エビデンスの質が高いとされています。また、オーストラリアで行われた研究(2006年、Rydeard Rら)では、6週間のピラティスプログラム後に痛みと機能障害が有意に改善したと報告されています。

体幹の安定性向上

ピラティスの中心的な要素である「パワーハウス」の強化が、腹横筋や多裂筋といった体幹深層筋の活性化につながることが確認されています。運動習慣のない成人女性を対象としたトルコの研究(2007年、Sekendiz Bら)では、5週間のピラティスプログラム後に体幹の筋力と持久力が有意に向上したと報告されています。また、2020年に発表されたメタ分析(Hayden JAら)でも、ピラティスが体幹筋群の活性化を通じて腰痛改善に寄与する可能性が示されています。

柔軟性の向上

定期的なピラティスの実践が、ハムストリングスや脊柱の柔軟性を向上させることが複数の研究で報告されています。アメリカで行われた研究(2004年、Segal NAら)では、若年女性を対象に6ヶ月間のピラティスを実施したところ、柔軟性の有意な向上が確認されました。また、2007年の研究(Johnson EGら)でも、ピラティスがバランス能力とともに柔軟性の改善に寄与することが報告されています。

バランス能力の改善

高齢者を対象としたシステマティックレビュー(2015年、Bullo Vら)では、ピラティスがバランス能力の向上に有効である可能性が示されています。これは転倒予防の観点から注目されており、高齢者向けの運動プログラムとしてピラティスが推奨される根拠の一つになっています。

エビデンスの現状と限界

ピラティスの効果に関する研究は増えていますが、エビデンスにはまだ限界があることにも注意する必要があります。

まず、研究の質にばらつきがあります。対象者の数が少なかったり、対照群の設定が不十分だったりする研究も少なくありません。また、「ピラティス」と一口に言っても、流派や指導方法、使用する器具などが研究によって異なるため、結果を単純に比較できないという問題もあります。

また、ピラティスは他の運動療法と比較して「特別に優れている」とまでは証明されていません。例えば腰痛改善において、ピラティスは他の運動療法と同程度の効果という研究結果もあります。

ただし、これは裏を返せば「ピラティスも他の運動療法と同等の効果が期待できる」ということです。同じ効果が得られるなら、自分が楽しく続けられるメソッドを選ぶのが一番ですよね。ピラティスの「呼吸と動きを連動させる」「体の使い方を意識する」というアプローチが合う方にとっては、継続しやすく、結果的に高い効果を得られる可能性があります。

少なくとも「運動しないよりは効果がある」ことは多くの研究で一致しています。大切なのは、自分に合った方法で体を動かす習慣を持つことです。

ピラティスが効果的とされる症状・疾患

医学的研究や臨床現場での経験から、ピラティスが特に効果的とされる症状や疾患があります。ここでは代表的なものを紹介します。

腰痛

ピラティスと最も関連が深いのが腰痛改善です。特に慢性的な非特異的腰痛(レントゲンなどで明確な原因が特定できない腰痛)に対する効果が研究されています。

ピラティスが腰痛に効果的とされる理由は、主に体幹の深層筋を強化することにあります。腹横筋や多裂筋といったインナーマッスルが活性化されることで、脊柱の安定性が高まり、腰への負担が軽減されると考えられています。

また、ピラティスでは正しい姿勢や動作パターンを学ぶため、日常生活での腰への負担を減らす効果も期待できます。

ただし、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、明確な疾患がある場合は、必ず医師に相談してから始めるようにしてください。

肩こり・首の痛み

デスクワークが多い現代人にとって、肩こりや首の痛みは深刻な問題です。ピラティスは、これらの症状に対しても効果が期待されています。

肩こりの多くは、姿勢の崩れから来ています。猫背になると、頭が前に出て首や肩の筋肉に過度な負担がかかります。ピラティスでは、背骨を正しい位置に戻し、肩甲骨周りの筋肉をバランスよく使えるようにトレーニングします。

特に、胸椎(背中の部分の背骨)の可動性を高めるエクササイズは、肩こり改善に効果的と言われています。胸椎が動くようになると、首や肩への負担が分散されるためです。

姿勢の改善

「姿勢が良くなった」というのは、ピラティスを続けている人からよく聞く感想の一つです。これには理由があります。

ピラティスでは、常に背骨のポジションを意識しながらエクササイズを行います。ニュートラルスパイン(背骨の自然なS字カーブを保った状態)を維持する練習を繰り返すことで、正しい姿勢が体に染み込んでいきます。

また、体の左右差や前後のバランスの崩れにも気づきやすくなります。「右側ばかり使っている」「前ももが張っている」といった自分の体の癖を認識し、修正していくことで、バランスの取れた姿勢が身についていきます。

高齢者の転倒予防

高齢者にとって、転倒は骨折や寝たきりにつながる深刻なリスクです。ピラティスは、転倒予防の観点からも注目されています。

転倒を防ぐためには、筋力だけでなくバランス能力が重要です。ピラティスでは、不安定な姿勢を保持したり、ゆっくりとした動きをコントロールしたりするエクササイズが多く含まれています。これらは、バランス能力の向上に効果的です。

また、ピラティスは関節への負担が比較的少ないため、高齢者でも安全に取り組みやすいというメリットがあります。マシンを使ったピラティスでは、スプリングの補助によって体を支えながら運動できるため、筋力が低下した方でも無理なく始められます。

ただし、高齢者がピラティスを始める場合は、経験豊富なインストラクターの指導のもとで行うことをおすすめします。

医療・リハビリ現場でのピラティス活用事例

ピラティスは、フィットネスとしてだけでなく、医療やリハビリテーションの現場でも活用されています。ここでは、具体的な活用事例を紹介します。

理学療法士によるピラティスの導入

近年、理学療法士がピラティスの資格を取得し、リハビリテーションに取り入れるケースが増えています。

理学療法士は、人体の構造や運動学に精通した専門家です。その知識とピラティスのメソッドを組み合わせることで、より安全で効果的なリハビリプログラムを提供できるようになります。

特に、整形外科クリニックや病院のリハビリテーション科では、腰痛や肩の障害、スポーツ外傷などの患者さんに対して、ピラティスを取り入れた運動療法が行われることがあります。

理学療法士がいるピラティススタジオも増えてきており、医学的な知識に基づいた指導を受けたい方には選択肢の一つになっています。

術後リハビリへの応用

手術後のリハビリテーションにピラティスが活用されることもあります。

例えば、人工関節置換術後のリハビリでは、関節に過度な負担をかけずに筋力を回復させる必要があります。ピラティスマシンのスプリングを使えば、負荷を細かく調整しながら安全に運動できるため、術後の回復期に適しています。

また、脊椎の手術後のリハビリにおいても、体幹の安定性を高めるピラティスのエクササイズが有効とされています。ただし、術後のリハビリは医師の指示のもとで行う必要があり、自己判断で始めることは避けてください。

メンタルヘルス領域での活用

ピラティスは身体的な効果だけでなく、メンタルヘルスへの効果も期待されています。

ピラティスの特徴である「呼吸と動きの連動」「今この瞬間への集中」は、マインドフルネスの要素を含んでいます。このため、ストレス軽減や不安の緩和に効果があるという研究報告もあります。

うつ病や不安障害の患者さんに対する補助的な療法として、ピラティスを取り入れている医療機関も存在します。もちろん、メンタルヘルスの問題を抱えている場合は、専門医の治療が最優先です。ピラティスはあくまで補助的な手段として位置づけられています。

ピラティスをリハビリ目的で行う際の注意点

ピラティスはリハビリに効果的なメソッドですが、すべての人にすべての状況で適しているわけではありません。安全にピラティスを始めるために、いくつかの注意点を押さえておきましょう。

医師や専門家への相談が必要なケース

以下のような場合は、ピラティスを始める前に必ず医師に相談してください。

急性期の痛みがある場合は注意が必要です。怪我をした直後や、炎症が強い時期には、安静が必要なことがあります。痛みが落ち着いてから始めるようにしましょう。

手術後や治療中の場合も同様です。手術後のリハビリは、医師や理学療法士の指示に従って進める必要があります。自己判断でピラティスを始めることは避けてください。

持病がある場合も確認が必要です。心疾患、高血圧、骨粗しょう症などの持病がある方は、運動の可否や注意点について医師に確認しましょう。

妊娠中の方は特別な配慮が必要です。妊娠中のピラティスは効果的とされていますが、妊娠週数や体調によって避けるべきエクササイズがあります。マタニティピラティスの専門知識を持ったインストラクターのもとで行うことをおすすめします。

自己判断で行うリスク

最近では、YouTubeやオンラインレッスンで手軽にピラティスを学べるようになりました。しかし、リハビリ目的でピラティスを行う場合、自己判断には注意が必要です。

まず、フォームの誤りが逆効果になる可能性があります。正しいフォームで行えば体に良いエクササイズも、間違ったやり方をすれば症状を悪化させることがあります。特に腰痛がある方が間違った姿勢でエクササイズを行うと、痛みが増してしまうこともあります。

また、自分の体の状態を客観的に評価することは難しいです。「これくらいなら大丈夫」と思っていても、専門家から見ると無理をしていることがあります。

リハビリ目的でピラティスを始める場合は、最初は経験豊富なインストラクターの対面指導を受けることをおすすめします。可能であれば、医療資格を持つインストラクターや、リハビリの経験が豊富なスタジオを選ぶと安心です。

ピラティスの医学的効果に関するよくある質問

理学療法士からピラティスを学ぶメリットはありますか?

理学療法士は、解剖学や運動学、病態生理学などの医学的知識を持つ専門家です。そのため、体の状態を正確に評価し、一人ひとりに合ったプログラムを提供できるというメリットがあります。

特に、怪我や痛みを抱えている方、術後のリハビリ中の方には、理学療法士からの指導が安心です。また、なぜその動きが必要なのかを医学的に説明してもらえるため、納得しながら取り組めるという声も多いです。

ピラティスは医療保険の対象になりますか?

現在の日本では、ピラティス自体は医療保険の対象外です。ピラティススタジオでのレッスンは自費になります。

ただし、病院やクリニックのリハビリテーション科で、理学療法士がピラティスの要素を取り入れた運動療法を行う場合は、医療保険が適用されることがあります。この場合、あくまで「運動療法」としての保険適用であり、「ピラティス」という名目での適用ではありません。

リハビリ目的ならマットとマシンどちらがおすすめですか?

リハビリ目的であれば、マシンピラティスがおすすめです。マシンにはスプリングがついており、体を補助したり、適度な抵抗をかけたりすることができます。

これにより、筋力が低下している方でも安全に運動を始められますし、負荷を細かく調整できるため、回復段階に合わせたプログラムが組みやすいです。

マットピラティスは自分の体重を支える筋力が必要なため、ある程度回復してから取り入れると良いでしょう。

腰痛があってもピラティスはできますか?

多くの場合、腰痛があってもピラティスは可能です。むしろ、慢性的な腰痛の改善にピラティスが効果的という研究もあります。

ただし、急性期の強い痛みがある場合や、椎間板ヘルニアなど明確な疾患がある場合は、まず医師の診断を受けてください。また、痛みがある状態で始める場合は、経験豊富なインストラクターの指導のもとで、痛みが出ない範囲で行うことが大切です。

高齢者でもピラティスは始められますか?

始められます。ピラティスは関節への負担が少なく負荷を調整しやすいため、高齢者にも適した運動です。実際に、70代・80代でピラティスを楽しんでいる方も少なくありません。

特にマシンピラティスは、スプリングの補助によって体を支えながら運動できるため、筋力が低下している方でも安全に取り組めます。

ただし、持病がある場合は事前に医師に相談し、シニア指導の経験があるインストラクターを選ぶことをおすすめします。

まとめ|ピラティスは科学的にも支持されるエクササイズ

ピラティスは、もともとリハビリテーションを目的として生まれたメソッドです。第一次世界大戦中の収容所で負傷者のために考案され、その後ニューヨークでダンサーたちの回復を支えてきた歴史があります。

現代では、医学的な研究によってその効果が少しずつ明らかになっています。特に慢性腰痛の改善、体幹の安定性向上、バランス能力の改善などについては、一定のエビデンスが蓄積されてきています。

医療現場でも、理学療法士がピラティスを取り入れたリハビリを行ったり、術後の回復プログラムに活用されたりするケースが増えています。

もちろん、ピラティスは万能ではありません。エビデンスにはまだ限界がありますし、すべての症状に効くわけでもありません。しかし、正しく行えば体に良い影響をもたらす可能性が高く、安全性も比較的高い運動であることは確かです。

リハビリ目的でピラティスを始めたい方は、まず医師に相談の上、経験豊富なインストラクターの指導を受けることをおすすめします。自分の体の状態に合わせて無理なく続けることで、ピラティスの効果を実感できるはずです。

saku

GOOD PILATES運営者。デスクワークによる体の不調改善のためにピラティスを始め、その効果に感動。初心者だった頃の経験を活かし、スタジオ選びに必要な情報を分かりやすくまとめています。「初心者でも迷わずスタジオを選べるサイト」を目指して日々更新中。

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