「ピラティスを始めてみたいけれど、マットとマシン、一体どっちを選べばいいの?」 「それぞれの違いがよく分からなくて、最初の一歩が踏み出せない…」
ピラティスに興味を持った多くの方が、最初にぶつかるのがこのお悩みではないでしょうか。どちらも魅力的に見えるからこそ、迷ってしまいますよね。
ご安心ください。この記事では、マットピラティスとマシンピラティスの違いを、効果や費用、難易度など様々な角度から徹底的に比較・解説します。読み終える頃には、あなたの目的やライフスタイルにぴったりの選択肢が、きっと見つかるはずです。
マットピラティスとマシンピラティスの基本

まずは、2つのピラティスの基本的な情報から押さえておきましょう。
ピラティスには2つの種類がある
ピラティスには、大きく分けて2つのスタイルがあります。一つは、ヨガマットのようなマットの上で行う「マットピラティス」。もう一つは、「リフォーマー」などの専用器具を使って行う「マシンピラティス」です。
どちらもピラティスであることに変わりはありませんが、アプローチの方法が異なるため、得られる感覚や効果にも少し違いが出てきます。
どちらもジョセフ・ピラティスが考案
驚かれるかもしれませんが、実はマシンピラティスの方が歴史は古いのです。創始者のジョセフ・ピラティス氏は、第一次世界大戦で負傷した兵士のリハビリのために、ベッドを改造してバネを取り付けた器具を開発しました。これが、マシンピラティスの原型です。
その後、より多くの人が手軽に取り組めるようにと、器具なしでできるエクササイズとして体系化されたのが、マットピラティスなのです。つまり、どちらも同じ哲学から生まれた、兄弟のような関係と言えますね。
【比較表】マット vs マシン 7つの違い
細かい説明の前に、まずは全体像を掴んでいただくために、両者の違いを表にまとめてみました。どちらが自分に合っているか、イメージしながら見てみてくださいね。
| 項目 | マットピラティス | マシンピラティス |
|---|---|---|
| 難易度 | 高め (自分の力で身体を支える) | 低め (マシンが正しい動きをサポート) |
| 効果の傾向 | 体幹の安定性 バランス感覚の向上 | 筋力強化 柔軟性向上 部分的な引き締め |
| 場所 | どこでもOK (自宅、スタジオ、オンライン) | 基本的にスタジオのみ (専用マシンが必要) |
| 費用 | 低コスト (月額1万円前後〜) | 高コスト (月額2万円前後〜) |
| レッスン | グループレッスンが主流 | プライベートレッスンが主流 |
| 運動強度 | 調整しにくい (基本は自重のみ) | 調整しやすい (バネで負荷を自由に変更可能) |
| 初心者おすすめ度 | △ | ◎ |
いかがでしょうか?こうして見ると、同じピラティスでもかなり特徴が違うことが分かりますよね。それでは、各項目について、さらに詳しく解説していきます。
【徹底比較①】難易度|初心者が挫折しにくいのはどっち?
運動を始める上で、「自分にできるかな?」という難易度は一番気になるところですよね。
- マットピラティス:意外に難しい!
マットピラティスは、自分の体重(自重)だけを頼りに身体を支え、コントロールします。そのため、正しい動きをするには、かなりの体幹の強さと筋力が必要になります。初心者のうちは、つい首や肩など、使わなくていい部分に力が入ってしまい、「なんだか難しい」「きついだけ…」と感じて挫折してしまうことがあるかもしれません。 - マシンピラティス:初心者でも安心!
一方、マシンピラティスは、「リフォーマー」などの専用マシンについているバネが、動きをサポートしてくれます。正しいフォームに導いてくれるので、運動が苦手な方でも、無理なくインナーマッスルに効かせることができます。バネは補助になるだけでなく、抵抗(負荷)にもなるため、上級者はよりチャレンジングなトレーニングも可能です。
結論として、運動経験が少ない初心者の方には、断然マシンピラティスから始めるのがおすすめです! 身体の正しい使い方をマシンに教えてもらうことで、ピラティスの効果を実感しやすくなりますよ。
【徹底比較②】効果|あなたの目的に合うのはどっち?
どちらも「姿勢改善」「インナーマッスル強化」という基本的な効果は共通していますが、得意とするアプローチが少し異なります。
- マットピラティス:身体の”安定性”を高める
自分の力でバランスを取る動きが多いため、身体の軸を安定させる力や、全身の協調性が養われます。「自分の身体を思い通りに操る感覚」を身につけたい方におすすめです。 - マシンピラティス:”部分的な強化”と”柔軟性向上”が得意
マシンのサポートがあることで、特定の筋肉にピンポイントでアプローチしたり、安全に関節の可動域を広げたりすることが得意です。「二の腕を引き締めたい」「しなやかな背中を作りたい」といった、具体的なボディメイクの目標がある方には、マシンの方が効率的かもしれません。
【徹底比較③】場所と費用|続けやすさで選ぶなら?
継続するためには、通いやすさやコストも重要なポイントですよね。
- マットピラティス:手軽で低コスト
マット1枚あればどこでもできるのが最大の魅力。スタジオのグループレッスンは比較的安価で、オンラインレッスンやYouTube動画などを活用すれば、自宅でコストをかけずに続けることも可能です。- グループレッスンの料金相場:月額10,000円〜15,000円
- マシンピラティス:スタジオ通いが基本で高コスト
専用マシンが必要なため、基本的にスタジオに通うことになります。また、きめ細やかな指導のためにプライベートや少人数制レッスンが主流なので、料金はマットに比べて高くなる傾向があります。- プライベートレッスンの料金相場:1回8,000円〜15,000円
- グループマシンレッスンの料金相場:月額20,000円〜30,000円
手軽さやコストを最優先するならマット、早く確実に結果を出したいならマシン、という選択になりそうですね。
初心者はどちらから始めるべき?
ここまで比較してきましたが、「結局、初心者はどっちがいいの?」という疑問にお答えします。
もしあなたが運動初心者で、ピラティスの効果を最短で実感したいなら、「マシンピラティス」から始めることを強くおすすめします。
マシンから始める3つのメリット
- 正しいフォームが身につきやすい
マシンが身体を導いてくれるので、変な癖がつく前に正しい動きを習得できます。これは上達への一番の近道です。 - 効果を実感しやすい
狙った筋肉に的確にアプローチできるため、「効いている!」という感覚を得やすく、モチベーションにつながります。 - 怪我のリスクが低い
無理な動きを防ぎ、安全にエクササイズできるため、身体が硬い方や体力に自信がない方でも安心です。
もちろん、マットピラティスがダメなわけではありません。もしマットから始める場合は、大人数のクラスよりも、インストラクターの目が届きやすい少人数制のクラスを選ぶと、より丁寧な指導が受けられておすすめです。
あなたはどっち派?目的別おすすめ診断
これまでの比較を元に、あなたがどちらのタイプか診断してみましょう!
こんなあなたには「マットピラティス」がおすすめです!
- とにかくコストを抑えてピラティスを始めたい
- 自宅やオンラインで、自分のペースで続けたい
- ある程度の運動経験があり、自分の身体と向き合いたい
- みんなで一緒に動くグループレッスンが好き
こんなあなたには「マシンピラティス」がおすすめ!
- 運動経験がほとんどない、体力に自信がない
- できるだけ早く、効率的に効果を実感したい
- 過去に怪我をした経験があり、安全性を重視したい
- 専門家からマンツーマンで丁寧な指導を受けたい
- 特定の部位を引き締めるなど、ボディメイクの目的が明確
マットとマシンの併用という選択肢も
「マットかマシンか」で迷ってしまうかもしれませんが、もしピラティスの効果を最大限に引き出したいのであれば、「両方を賢く併用する」という選択肢もおすすめです。
なぜ併用するのが良いの?
併用する最大のメリットは、学びのサイクルがとても効率的になることです。
- マシンで「正解」を学ぶ
スタジオでのマシンレッスンは、いわば「答え合わせ」の時間です。マシンのサポートを受けながら、インストラクターに自分の身体の癖を修正してもらい、「これが正しい動きなんだ!」という感覚を身体にインプットします。 - マットで「実践」して定着させる
そして、マシンで学んだ「正解」の感覚を、自宅でのマットピラティスで実践します。自分の力だけで動きを再現しようとすることで、正しい身体の使い方が自分のものとして定着し、ピラティスへの理解が飛躍的に深まるのです。
この「学び」と「実践」のサイクルを繰り返すことで、上達のスピードが格段に上がり、高価なマシンレッスンの効果を何倍にも高めることができます。
おすすめの組み合わせ方
例えば、このような組み合わせはいかがでしょうか。
- 週に1回、スタジオでマシンピラティス
専門家の指導のもと、身体のメンテナンスと新しい課題のインプット - 週に2〜3回、自宅でマットピラティス
スタジオで教わったことを意識しながら、日々の復習と実践
この組み合わせなら、コストを抑えつつも、常に質の高い状態をキープできます。
マシンとマット、それぞれの良いところをバランス良く取り入れて、ピラティスを本当の意味であなたの生活の一部にしてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
マシンからマットに移行できますか?
はい、もちろん可能です。
マシンでピラティスの基本と正しい身体の使い方をマスターしてからマットに移行すると、マットの動きの理解度が格段に深まり、より効果的にエクササイズができますよ。
自宅にリフォーマーを置けますか?
はい、個人向けに販売されているマシンもあります。
しかし、非常に高価(数十万円〜)で、設置には広いスペースが必要ですので、スタジオのレッスンだけでは物足りないという人向けの商品と言えるでしょう。
まずはスタジオでマシンの効果を体験してみてから、購入を検討するのがおすすめです。
マットピラティスは効果ないって本当?
そんなことは決してありません。
マットピラティスは、正しく行えば絶大な効果があります。ただ、自己流でやると正しいフォームから外れやすく、効果を感じにくいことがあるため、そう言われてしまうのかもしれません。最初はスタジオで基本を学ぶことをおすすめします。
まとめ|自分に合った方法を選ぼう
マットピラティスとマシンピラティス、その違いはお分かりいただけたでしょうか。
手軽さとコストを重視し、自分の力で身体をコントロールする感覚を養いたいならマットピラティス。 運動が苦手で、安全かつ効率的に、早く効果を実感したいならマシンピラティス。
どちらが良い・悪いということではなく、あなたの目的、ライフスタイル、そして予算に合った方を選ぶことが、楽しく継続するための何よりの秘訣です。
もし迷ったら、まずは多くのスタジオで実施している体験レッスンに参加してみるのが一番のおすすめです。実際に身体を動かしてみることで、「私にはこっちが合っているかも!」という感覚がきっと掴めるはずです。
